お問い合わせ
コラム

地震に強い家とは?構造・形・基準となる7つの特徴と選び方を解説

地震に強い家とは、大きな揺れを受けても倒壊や大規模な損壊を免れ、居住者の生命と財産を守れる住宅を指します。
その強さを実現するためには、建物の構造、形、そして客観的な基準という複数の要素が重要です。

地震に強い家の特徴として、揺れに耐える「耐震」、揺れを吸収する「制震」、揺れを伝えない「免震」といった構造の違いや、凹凸の少ないシンプルな家の形が挙げられます。
また、性能を示す基準である耐震等級や地盤の強度も、家の安全性を大きく左右します。

そもそも地震に強い家とは?3つの基本構造を解説

地震に強い家は、揺れに対してどのように抵抗するかという考え方によって、大きく3つの基本構造に分類されます。
それが「耐震」「制震」「免震」です。

地震に強い家の構造は、それぞれ揺れに対するアプローチが異なり、コストや特徴にも違いがあります。
現在、日本の多くの住宅は建築基準法で定められた最低限の耐震性能を持つ「耐震構造」を基本としており、そこからさらに安全性を高めるために制震や免震の技術が加わります。
どの構造が最適かは、予算や求める安全性によって異なります。

建物の強度で揺れに耐える「耐震構造」

耐震構造は、柱や梁、壁などの構造体そのものを強化し、建物の強度と剛性で地震の揺れに耐える最も基本的な考え方です。
建築基準法で定められている耐震基準は、この耐震構造に関する最低限の性能を規定しており、現在の新築住宅はすべてこの基準を満たしています。

具体的には、地震の力に抵抗する「耐力壁」をバランス良く配置したり、柱と梁の接合部を金物で補強したりといった工夫がなされます。
多くの住宅で採用されている標準的な対策であり、コストを抑えながら一定の安全性を確保できる点が特徴です。

揺れを熱エネルギーに変えて吸収する「制震構造」

制震構造は、建物内に設置したダンパーなどの制震装置によって、地震の揺れのエネルギーを吸収し、建物の変形を抑制する仕組みです。
耐震構造が揺れに「耐える」のに対し、制震構造は揺れを「吸収・減衰させる」点が異なります。
この構造のメリットは、繰り返される余震にも効果を発揮し、建物の構造体へのダメージを軽減できることです。

そのため、大規模な地震の後も住み続けられる可能性が高まります。
耐震構造と組み合わせて採用されることが多く、高層ビルだけでなく一般の戸建て住宅でも導入が進んでいます。

揺れを建物に直接伝えない「免震構造」

免震構造は、建物と基礎の間に積層ゴムやダンパーといった免震装置を設置し、地面の揺れが建物に直接伝わるのを防ぐ仕組みです。
地震が発生すると、免震装置が変形することで揺れを吸収・絶縁し、建物全体がゆっくりと水平に動きます。

まるで建物が地面から浮くような状態で揺れを受け流すため、建物本体の揺れを大幅に低減できます。
家具の転倒や建物の損傷を最も効果的に防げる構造ですが、3つの構造の中では最もコストが高く、設置できる地盤の条件にも制約がある点が特徴です。

【見た目でわかる】地震に強い家の4つの形状的特徴

地震に強い家を選ぶ際、専門的な知識がなくても外観から判断できるポイントがいくつかあります。
家の形は、地震のエネルギーがどのように建物に伝わるかに大きく影響します。
一般的に、シンプルで安定した形状の家は、揺れに対して強い傾向があります。

凹凸の少ない正方形や長方形、重心が低い平屋建て、軽い屋根材の使用、そして建物をしっかりと支える基礎の形状などが、地震に強い家の形は何かを見分ける上での重要な手がかりとなります。

凹凸が少ないシンプルな長方形・正方形の家

地震に強い家の形は、正方形や長方形といった凹凸の少ないシンプルな総二階建てです。
地震の力は建物の隅や形状が複雑な部分に集中しやすいため、L字型やコの字型、あるいは一部に大きな吹き抜けがあるような家は、揺れによって建物がねじれやすく、特定の接合部に負荷がかかり損傷の原因となります。

一方、シンプルな箱型の家は、地震の力を建物全体でバランス良く受け止めて分散させることができます。
デザイン性も重要ですが、耐震性の観点からは、できるだけ整形な形を選ぶことが望ましいです。

建物の重心が低く安定している平屋建て

平屋建ては、2階建て以上の建物と比較して構造的に地震に強いとされています。
その理由は、建物全体の高さが低いため重心が低く、安定性が高いからです。
地震の揺れは、建物の重心が高いほど大きく増幅される傾向がありますが、平屋はその影響を受けにくくなります。

また、上階の荷重がない分、建物全体の重量が軽くなることや、構造がシンプルで耐力壁の配置計画がしやすいことも、耐震性を高める要因となります。
これらの理由から、平屋は地震に対して非常に有利な構造と言えます。

瓦よりも軽い金属屋根などで建物を軽量化

建物の重量は、地震の際に受けるエネルギーの大きさに直結します。
建物が重いほど、揺れによる力は大きくなります。
特に、建物の最も高い位置にある屋根が重いと、重心が高くなり、揺れがさらに増幅されてしまいます。

そのため、伝統的な瓦屋根に比べて、スレートやガルバリウム鋼板などの軽い素材を使用した金属屋根は、建物の軽量化に貢献し、耐震性を向上させます。
屋根を軽くすることは、柱や壁など構造体への負担を軽減する効果もあります。
また、軽量な屋根材は台風などの強風に対しても有利です。

地面と接する面積が広い「ベタ基礎」を採用している

基礎は建物の荷重を地盤に伝え、地震の揺れから家を守る非常に重要な部分です。
現在主流となっている「ベタ基礎」は建物の底面全体を鉄筋コンクリートのスラブで覆う工法です。
地面と接する面積が広いため建物の重さを面で支え、荷重を効果的に分散させることができます。

これにより特定の場所に力が集中するのを防ぎ、不同沈下のリスクを軽減します。
また地震の揺れを面全体で受け止めて地盤に逃がす効果も高いため、耐震性の確保に大きく貢献する基礎工法です。

地震への強さを客観的に判断する3つの重要基準

家の形状や構造に加えて、地震への強さを客観的な指標で判断することも重要です。
専門的なデータや等級に基づいた評価は、地震に強い家づくりにおいて信頼性の高い判断基準となります。

特に「耐震等級」は住宅の性能を数値で示したものであり、最高ランクを取得しているかは大きな安心材料です。
また、どんなに頑丈な家でも、それを支える土地の地盤が弱ければ意味がありません。
さらに、耐力壁などがバランス良く配置された間取りかどうかも、家の強度を左右する重要な要素です。

最高ランクである「耐震等級3」を取得しているか

耐震等級とは、住宅性能表示制度に基づき、地震に対する建物の強度を示す指標で、1から3までのランクで評価されます。
耐震等級1は建築基準法で定められた最低限の耐震性能を満たすレベルです。

耐震等級2は等級1の1.25倍、そして最高ランクの耐震等級3は等級1の1.5倍の強度を持つことを示します。
消防署や警察署など、地域の防災拠点となる重要な建物は耐震等級3で設計されており、大規模な地震後も人命を守り、建物の機能を維持できるレベルの安全性が想定されています。

家を建てる土地の地盤が強固であること

地震に強い家を建てるには、建物の性能だけでなく、その家が建つ土地の地盤が強固であることが絶対条件です。
軟弱な地盤では、地震の揺れが増幅されたり、液状化現象によって建物が傾いたり沈下したりする危険性があります。

家を建てる前には、必ず地盤調査を実施し、土地の性質を正確に把握する必要があります。
特に、過去に水田や沼地だった場所は注意が必要です。
広島県の沿岸部や高知県の平野部など、地域によっては地盤改良工事が必要となるケースもあり、ハザードマップでの事前確認も欠かせません。

耐力壁や柱がバランス良く配置された間取り

建物の耐震性は、地震の水平な力に抵抗する「耐力壁」や柱が、どれだけバランス良く配置されているかに大きく左右されます。
これらの構造部材が建物の隅や中心部に偏りなく配置されていることで、地震の力を建物全体で均等に受け止めることができます。

例えば、南側に大きな窓を集中させたり、広大な吹き抜けを設けたりする開放的な間取りは、壁の量が少なくなり耐震性が低下する可能性があります。
そのため、設計段階で構造計算を行い、十分な壁量を確保しつつ、家具の配置も考慮して計画を進めることが重要です。

失敗しない!地震に強い家を建てる・選ぶための確認ポイント

地震に強い家を建てる、あるいは選ぶためには、これまで見てきた特徴や基準を基に、具体的な確認作業を行うことが不可欠です。
特に、注文住宅の場合はハウスメーカーや工務店が持つ独自の技術力を比較検討し、建売住宅や中古住宅の場合は、土地の安全性や建物の現状を客観的なデータで確認する視点が求められます。

これらのポイントを事前にチェックすることで、安心して長く住める、本当に地震に強い家にするための選択が可能になります。

ハウスメーカー独自の耐震技術や工法を比較検討する

各ハウスメーカーは、耐震性を高めるために独自の技術や工法を開発し、自社の強みとしています。
例えば、エネルギー吸収性能が高いオリジナルの制震ダンパー、木造住宅の接合部を強化する特殊な金物、あるいは鉄骨ラーメン構造など、メーカーによってアプローチは様々です。

家づくりを検討する際は、複数のメーカーから資料を取り寄せたり、モデルハウスを訪れたりして、どのような技術が採用されているのかを比較することが重要です。
それぞれの工法が持つメリット・デメリットを理解し、予算や設計の希望と照らし合わせて検討します。

専門家による地盤調査の結果を確認する

土地を購入して注文住宅を建てる場合や、建売の戸建て住宅を購入する場合でも、専門家による地盤調査の結果は必ず確認すべき重要な書類です。
地盤調査報告書には、その土地の強度や性質が詳細に記載されており、地盤改良工事が必要かどうかの判断基準となります。
もし改良工事が行われている場合は、その工事内容が適切であったかもしっかりと確認しましょう。

土地と建物は一体で安全性を考える必要があり、足元である地盤の状態を把握することが、安心して住める家選びの第一歩です。

中古住宅を検討するなら耐震診断の有無をチェック

中古住宅を購入する際は、その建物がいつの時代の耐震基準で建てられたかを確認することが非常に重要です。
特に、1981年6月1日に導入された「新耐震基準」より前に建てられた住宅は、耐震性が低い可能性があります。
購入を検討する物件について、耐震診断が実施されているか、その結果はどうだったかを確認しましょう。

耐震性が不足している場合は、耐震補強工事が必要となり、その費用も考慮に入れなければなりません。
マンションの場合も同様に、建物全体の修繕計画の中で耐震診断や補強工事が予定されているかを確認することが大切です。

地震に強い家に関するよくある質問

ここでは、地震に強い家を検討する際に、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。
耐震等級の信頼性や、住宅構造による強度の違い、既存住宅の耐震化の可能性など、家選びの判断材料となる重要な情報を取り上げます。

耐震等級3を取得していれば絶対に倒壊しませんか?

絶対に倒壊しないとは断言できません。
耐震等級3は現在の最高基準で極めて高い安全性を示しますが、想定を大幅に超える地震動や未知の揺れに対し、100%の安全を保証するものではないからです。

しかし、建築基準法の1.5倍の強度を持つため、倒壊や大規模な損壊のリスクを大幅に低減し、避難時間を確保できる可能性は格段に高まります。

木造住宅と鉄骨住宅ではどちらが地震に強いですか?

構造だけで一概にどちらが強いとは言えません。
木造は軽量で揺れを逃がす性質があり、鉄骨や鉄筋コンクリートは重厚で強度が高い特徴があります。

重要なのは構造の種類ではなく、耐震等級3の取得など、定められた基準を満たした設計と適切な施工がされているかです。
どの構造でも、コンクリート基礎を含め基準通りに建てられていれば高い耐震性を発揮します。

今住んでいる家を後から耐震補強することは可能ですか?

はい、可能です。

まずは専門家による耐震診断を受け、住宅の現状の耐震性を正確に把握します。
その診断結果に基づき、基礎のひび割れ補修や炭素繊維シートによる補強、耐力壁の増設、接合部の金物補強といった必要な工事計画を立てます。
ただし、3階建てなど構造が複雑な場合や劣化状況によっては、工事が大規模になり費用が高額になることもあります。

まとめ

地震に強い家とは、建物の「構造」、凹凸の少ない「形状」、そして客観的な「基準」という複数の要素を満たした住宅です。
揺れに耐える「耐震」、揺れを吸収する「制震」、揺れを伝えない「免震」という基本構造の違いを理解し、できるだけシンプルで重心の低い形状を選ぶことが基本です。

その上で、最高ランクである耐震等級3の取得や、強固な地盤の選定、バランスの取れた間取りといった客観的基準を確認することが、安全な家選びにつながります。
新築・中古を問わず、これらのポイントを総合的に検討することが重要です。

公式LINEからも
ご相談・ご予約等受付中

\お気軽にメッセージください/

公式LINE