戸建てを安く建てたいという思いは多くの方が持っていますが、安く家を建てることだけを追求すると、住み心地や将来のメンテナンスで後悔する可能性があります。
しかし、正しい知識を持って工夫すれば、予算内で満足のいく家づくりは実現可能です。
この記事では、具体的な安く家を建てるコツから、品質を維持するために削るべきではないポイントまでを解説します。
これから家づくりを始めたい方は、ぜひ参考にしてください。
安く家を建てるために知っておきたい10のコツ
注文住宅を安く建てるには、設計の工夫から土地選び、ハウスメーカーの選定まで様々な方法があります。
これから紹介する方法は、家の価格がどのような要素で決められているかを理解し、コストを抑えるための具体的なアプローチです。
住宅を安く建てる方法を知ることで、無駄な費用を削減し、予算内で理想の住まいを手に入れられる可能性が高まります。
安く建てるには、まずこれらのコツを知ることから始めましょう。
①廊下や間仕切りを減らして延べ床面積を抑える
建築費用は延べ床面積に比例して増えるため、廊下のような移動のためだけのスペースや、不要な間仕切りを減らす間取りの工夫が有効です。
廊下をなくしてリビング内階段を採用したり、LDKを一つの広い空間として設計したりすることで、生活スペースを確保しながら延べ床面積を圧縮できます。
壁やドアの数が減れば、その分の材料費や工事費も削減されます。
将来的に子ども部屋を分ける可能性がある場合は、最初から壁で仕切らず、後からリフォームで対応する選択肢も考えられます。
②キッチンや浴室など水回りを1箇所に集約させる
キッチン、浴室、洗面所、トイレといった水回り設備は、できるだけ1箇所に集中させる間取りにすると、コストを削減できます。
給排水管やガス管などの配管が短くシンプルになるため、工事の手間と材料費を抑えられるからです。
例えば、1階にすべての水回りをまとめたり、1階と2階にトイレを設置する場合でも、上下で同じ位置に配置したりといった工夫が効果的です。
配管がまとまっていると、将来のメンテナンスやリフォームがしやすくなるというメリットも生まれます。
③設備のグレードはこだわりたい部分以外は標準仕様を選ぶ
キッチンやユニットバス、トイレなどの住宅設備は、ハウスメーカーや工務店が設定している「標準仕様」を選ぶことで、費用を大きく抑えられます。
標準仕様の製品は、メーカーが大量に一括仕入れすることで価格が抑えられており、コストパフォーマンスが高い選択肢です。
すべての設備のグレードを上げるのではなく、「キッチンだけは食洗機付きにしたい」など、こだわりたい部分だけをオプションでグレードアップし、他は標準仕様にするといったメリハリをつけることが賢明な費用の使い方です。
④窓の数とサイズを最適化して費用をカットする
窓は壁よりも部材の価格が高く、設置にも手間がかかるため、数とサイズを最適化することが費用削減につながります。
特に、掃き出し窓のような大きな窓は高価になりがちです。
採光や通風に必要な箇所を見極め、不要な窓を減らしたり、サイズを小さくしたり、開閉できないFIX窓(はめ殺し窓)を活用したりすることでコストを調整できます。
ただし、窓を減らしすぎると室内が暗くなったり、風通しが悪くなったりする懸念もあるため、快適性を損なわない範囲でバランスを考える必要があります。
⑤規格住宅やセミオーダー住宅を選択肢に入れる
ゼロから自由に設計するフルオーダーの注文住宅は費用が高くなる傾向がありますが、規格住宅やセミオーダー住宅を選ぶことで、新築でも費用を抑えることが可能です。
規格住宅は、ハウスメーカーが用意した複数のプランの中から好みのものを選ぶスタイルで、設計や仕様がある程度決まっているためコストが安くなります。セミオーダー住宅は、規格住宅をベースに間取りの一部を変更したり、設備をカスタマイズしたりできるため、コストを抑えつつ一定のこだわりも反映させられます。
⑥ローコスト住宅が得意なハウスメーカーや工務店を探す
安く家を建てるには、ローコスト住宅の建築実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選ぶことが効果的です。
これらの会社は、建材の一括仕入れや仕様の共通化、広告宣伝費の抑制といった企業努力によって、低価格での住宅提供を実現するノウハウを持っています。
ただし、単に価格の安さだけで選ぶのではなく、複数の会社から見積もりを取り、総額や標準仕様の内容を比較検討することが大切です。
なぜ安く建てられるのか、その理由を明確に説明できるかどうかも、信頼できる会社を見極めるポイントです。
⑦造成費用があまりかからない土地を選ぶ
土地なしの状態から家づくりを始める場合、土地選びが総費用を大きく左右します。
相場より安い土地が見つかっても、地盤が軟弱であったり、道路との高低差があったりすると、地盤改良工事や擁壁の設置などで高額な造成費用が発生し、結果的に割高になるケースも少なくありません。
土地の価格だけでなく、地盤の状況や上下水道・ガスの引き込み状況なども含めて、追加費用が発生しにくい土地を選ぶことが重要です。
土地選びに不安がある場合は、施工を依頼するハウスメーカーや工務店に相談しながら進めるのが安心です。
⑧外構工事は専門業者に別途依頼することも検討する
駐車場や門、フェンスといった外構工事は、住宅の建築を依頼したハウスメーカーや工務店に一括で任せるのが一般的ですが、費用を抑えるなら外構の専門業者に別途依頼することも有効な手段です。
専門業者に直接依頼することで、ハウスメーカーに支払う中間マージンをカットできる場合があります。
複数の専門業者から見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。
また、ウッドデッキの設置や芝張りなど、自分でできる範囲をDIYすることで、さらに費用を節約することも可能です。
⑨キャンペーンや建築時期を工夫して契約する
契約のタイミングを工夫することも、コストを抑えるための一つの方法です。
多くのハウスメーカーでは、年度末や半期末といった決算期に、契約数を伸ばすために値引き交渉に応じやすくなる傾向があります。
また、期間限定で特定の設備をグレードアップできるキャンペーンや、モデルハウスとして建築・公開することを条件に割引を受けられるモニターハウス募集などを活用するのも有効です。
これらの情報は公式サイトや住宅展示場で得られるため、情報収集をこまめに行うことが推奨されます。
安く建てても後悔しないために!絶対に削ってはいけない費用
安く家を建てることを追求するあまり、家の本質的な価値を損なってしまっては意味がありません。
目先の建築費用を抑えることばかりに気を取られると、住み始めてからの快適性や安全性が損なわれ、結果的に高くつく「安かろう悪かろう」の家になりかねません。
ここでは、長期的な視点に立ち、安心して快適に暮らし続けるために、絶対に削るべきではない費用について解説します。
これらのポイントを押さえることが、後悔しない家づくりの鍵です。
耐震性や断熱性など住宅の基本性能に関わる費用
耐震性、断熱性、気密性といった、建物の基本性能に関わる費用は決して削ってはいけません。
これらの性能は、家族の安全や日々の暮らしの快適さに直結する、家の土台となる部分です。
初期費用を抑えるために構造材のグレードを下げたり、断熱材を薄くしたりすると、地震に対する不安が残るだけでなく、夏は暑く冬は寒い家になってしまいます。
特に構造や断熱は完成後に見えなくなる部分であり、後から性能を向上させるには大規模な工事と高額な費用が必要です。
将来の光熱費や修繕費といったランニングコスト
家の費用を考える際は、建築時にかかる初期費用だけでなく、住み始めてから継続的に発生する光熱費やメンテナンス費用といったランニングコストも考慮する必要があります。
例えば、初期費用が安くても断熱性能の低い家は、冷暖房の効率が悪く、月々の光熱費が高額になります。
また、安価で耐久性の低い外壁材を選ぶと、塗り替えのサイクルが短くなり、将来的な修繕費用がかさみます。
初期費用が多少高くなっても、性能や耐久性の高い建材を選ぶことが、トータルの出費を抑えることにつながります。
地盤改良やシロアリ対策など安全性を確保する費用
地盤調査の結果、地盤の強度が不足していると判断された場合の地盤改良工事の費用は、絶対に削減してはいけない費用です。
この工事を怠ると、建物が不均等に沈下する「不同沈下」を引き起こし、家が傾いたり、壁にひびが入ったりする原因となります。
同様に、建物の土台を腐食させるシロアリへの対策や、雨漏りを防ぐための防水工事なども、家の寿命を延ばし、安全性を確保するために不可欠な工事です。
これらの費用は、安心して暮らすための必須コストと捉えるべきです。
コストを抑えるハウスメーカーや工務店の選び方
理想の家を安く建てるためには、信頼できるパートナーとなるハウスメーカーや工務店を選ぶことが非常に重要です。
ローコスト住宅といっても、会社によって価格設定や標準仕様、得意なデザインは様々です。
広告に記載されている坪単価の安さだけで判断するのではなく、最終的にかかる総額や、提供される住宅の品質、引き渡し後のサポート体制までを総合的に見極める必要があります。
後悔しないためのハウスメーカーや工務店の選び方について、3つの視点から解説します。
坪単価だけでなく総額で費用を比較検討する
ハウスメーカーや工務店を比較する際は、坪単価の表示に惑わされず、必ず総額でいくらかかるのかを確認することが重要です。
坪単価には明確な定義がなく、どの工事費用までを含んでいるかは会社によって異なります。
例えば、A社では標準仕様に含まれる設備が、B社ではオプション扱いになっていることも珍しくありません。
一見、坪単価が安くても、必要な工事や設備を追加していくと、最終的な費用は他社と変わらない、あるいは高くなるケースもあります。
必ず複数の会社から同程度の条件で見積もりを取り、総額で比較検討しましょう。
なぜ安く提供できるのか理由を明確に説明できるか確認する
ローコスト住宅を手がけるハウスメーカーや工務店には、価格を抑えるための企業努力があります。
打ち合わせの際には、担当者に「なぜ安く家を提供できるのか」という理由を尋ねてみましょう。
信頼できる会社であれば、建材の一括大量仕入れ、仕様の規格化による人件費削減、住宅展示場を持たないことによる経費削減など、コストダウンの仕組みを具体的に説明できるはずです。
安さの理由が曖昧であったり、納得のいく説明が得られなかったりする工務店やハウスメーカーは、慎重に検討する必要があります。
引き渡し後のアフターフォローや保証制度が充実しているか
家は建てて終わりではなく、長年にわたり住み続ける場所です。
そのため、契約前には、引き渡し後のアフターフォローや保証制度の内容をしっかりと確認しておくことが大切です。
定期点検の頻度や内容、保証の期間や範囲はハウスメーカーや工務店によって異なります。
万が一、不具合が発生した際に迅速に対応してくれる体制が整っているか、長期的な視点で安心して住み続けられるサポートがあるかは重要な判断基準です。
価格だけでなく、こうした保証体制の充実度も比較検討しましょう。
安く家を建てることに関するよくある質問
安く家を建てることを考え始めると、「品質は大丈夫なのか」「本当に予算内で収まるのか」など、様々な疑問や不安が出てくるものです。
特に、ローコスト住宅の品質や、具体的な建築費用については、多くの方が気になる点でしょう。
ここでは、安く家を建てることに関して寄せられることが多い質問に、簡潔にお答えします。
家づくりを具体的に進める前に、これらの疑問を解消しておくことで、より安心して計画を進めることができます。
Q1. ローコスト住宅は品質が低くて不安なのですが、大丈夫ですか?
必ずしも低品質ではありません。
ローコスト住宅の安さは、仕様の規格化や建材の大量仕入れといった企業努力によるものです。
現在の新築住宅は建築基準法で定められた耐震性などの基準を満たす必要があり、一定の品質は確保されています。
Q2. 建築費1,000万円台でも注文住宅を建てることは可能ですか?
建物本体価格のみであれば可能です。
ただし、付帯工事費や諸経費を含めた総額では2,000万円近くになることが一般的です。
1,000万円台で建てるには、延べ床面積を小さくしたり、シンプルな間取りや仕様にしたりするなどの工夫が不可欠です。
Q3. 家を安く建てるために利用できる補助金制度はありますか?
はい、利用できる場合があります。
省エネ性能の高い住宅を対象とした「子育てエコホーム支援事業」や、各自治体が独自に設けている補助金制度などが代表的です。
家を安く建てるには、これらの制度の適用条件を確認し、活用することをおすすめします。
まとめ
安く家を建てるには、家の形状を総二階建てのようなシンプルなものにしたり、廊下をなくすといった間取りの工夫をしたりと、設計段階でのコスト意識が重要になります。
同時に、ローコスト住宅の実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選び、コストダウンの仕組みを理解した上で依頼することも大切です。
ただし、耐震性や断熱性といった建物の基本性能や、地盤改良工事など安全性に関わる費用を削ると、将来のリスクや後悔につながるため注意が必要です。
紹介したコツと注意点を踏まえ、予算と品質のバランスを取りながら家づくりを進めてください。