鶴見区での暮らしは「買い物帰りの一手間」が日常です。セミオーダーの強みは、効く場所だけカスタムできること。この記事では、玄関→パントリー→キッチン直行動線、SIC(シューズインクローク)の棚割、置き配・郵便の定位置、扉計画・動線干渉の回避までを“実寸目線”で解説。
1. 直行動線=“最少歩数・最少ストップ”
1-1. なぜ効く?(家事の分解)
荷下ろし→仕分け→冷蔵・常温・非常食→ゴミ分別→手洗い。1回の買い物で平均5~7回の停止動作が発生します。直行動線は、これを連続操作化し、移動距離と持ち替え回数を削減します。
1-2. 3つの基本レイアウト
- I型(一本通路):玄関土間→パントリー→キッチン背面→冷蔵庫。通路幅900~1000mmで台車OK
- L型(直角):玄関から直行でパントリー、L字で冷蔵→シンク。壁面収納が取りやすい
- 並行通路型:玄関横の裏動線でパントリー→キッチン背面。来客と交差しないのが利点
1-3. 寸法の目安(“実寸”で語る)
- 土間幅:台車+人すれ違い=1200mm目安
- パントリー通路:900mm(片手に荷物+引き戸開閉が余裕)
- 冷蔵庫前:900~1000mm(開閉+人回避)
- ゴミ分別ユニット:450~600mm幅×奥行450mm×袋の“外しやすさ”優先
- 手洗いまでの距離:玄関~手洗いボウル3~4歩が理想
1-4. “冷蔵・常温・備蓄”のゾーニング
- 冷蔵ゾーン:冷蔵庫~背面収納1m以内
- 常温ゾーン:缶・瓶・乾物・水。重い物は床~腰高
- 備蓄ゾーン(防災):回転棚 or 浅型引き出しでFIFO(先入れ先出し)運用
- 小物定位置:ハサミ・油性ペン・ピーラー等は一軍トレー化で迷子ゼロ
1-5. 動線と衛生(帰宅後の手洗い)
直行動線と玄関手洗いを連結し、“触る場所を最小化”。自動水栓・センサー照明で接触を減らします。
2. SIC(シューズインクローク)の棚割ルール
2-1. 家族構成×持ち物で“面積確定”
- 目安:2.0~3.0帖。ベビーカー(W500~600×D900~1000)の回転半径を確保
- 可動棚:棚奥行350mm/450mmの組み合わせで季節変動に対応
- ハンガーパイプ:H=1600~1700mm(コート丈)、子どもH=1200mm
2-2. 置くモノの“重心”を下へ
- 重い物(ケース飲料、土、工具)は床~腰高に集中
- 高所は軽い物(予備ティッシュ、紙袋、季節小物)へ。落下事故を防ぎます
2-3. 換気・防汚・防臭
- 24時間換気連動+地窓 or 換気レジスター
- 土間は耐汚染・防滑(ラバー/磁器タイル)
- 脱臭材+拭きやすい内装で“梅雨臭”対策
2-4. “家族ボックス”運用とラベリング
- 1人1箱(学校・部活・仕事の“一時置き”)
- 色 or アイコンで子どもにもわかる表示
- 週1リセットを家族ルール化(ボックスが溢れたら見直しサイン)
3. 置き配・郵便・回覧物の“定位置”
3-1. ステーションのフロー
受取→開封→一時保管→回覧→保管/廃棄を玄関脇1.0mの範囲に集約。
- 開封台(浅棚)+紙ごみ用ミニシュレッダー
- 回覧トレー(家族別)と提出期限メモ
- 宅配ボックス or スマートロック連携(必要に応じて)
3-2. 連絡・鍵・印鑑の定置化
- 鍵フック+印鑑トレー+受け取りスタンプを“ワン動作圏”に
- 出し入れ回数が多い物は“見える収納”が時短
3-3. 防災との近接配置
備蓄水・簡易トイレ・ライトはSIC奥の低位置へ。停電時でも取り出せる高さが鉄則です。
4. 扉・建具の選択で“渋滞”を防ぐ
4-1. 引き戸>開き戸(直行動線)
- 引き戸:開閉スペースゼロ/人の往来と干渉しにくい
- ソフトクローズ:音・指挟み・バタン戻りを軽減
- 自閉ヒンジは“開けっ放し防止”に有効
4-2. 干渉チェック
- 冷蔵庫ドア×建具×人の同時可動を想定。平面図に扉軌跡を描く
- 可動域900mmを確保できない場合は引き戸一択で検討
4-3. 冷蔵庫・家電の“熱と音”
- 背面・側面の放熱クリアランスを守る(メーカー推奨値)
- 製氷給水・排水の動線を短く、点検口を確保
5. 来客動線と家族動線を分離
5-1. 二重動線の利点
- 来客→LDK:見せたいルート(壁面ディスプレイやピクチャーレール)
- 家族→パントリー→LDK:片付け前でも通れる裏ルート
5-2. 視線コントロール
- 低めの腰壁収納で“抜け”を作り、生活感の出やすい背面を隠す
- 簡易ロールスクリーンで“とりあえず隠す”選択肢
5-3. 玄関での“ファーストビュー”
- 天井照明の演色性(Ra90前後)で食材も肌もきれいに見せる
- 壁面は艶を落とした耐汚染クロスで“高級感×メンテ性”
FAQ
Q. パントリーの広さはどれくらい必要?
A. 週あたりの買い物量・家族人数・非常食備蓄の方針で変わります。目安は1.5~2.0帖、通路900mm。着地棚(奥行300mm)の有無で使い勝手が大きく変わります。
Q. SICとパントリーは隣接が必須?
A. 理想は隣接ですが、2WAY動線で代替可能です。玄関→(裏動線)→キッチン背面が作れればストレスは大幅に軽減します。
Q. 置き配はどこに?
A. 玄関脇に受取ポジションを設け、開封台・回覧トレー・紙ごみ処理をセット化してください。宅配ボックス導入時も“開封の場所”が要です。
Q. 扉は開き戸でも良い?
A. 冷蔵庫前や背面収納と干渉しないなら可。ただし引き戸+ソフトクローズが“渋滞回避×安全性×静音”で安定解です。
Q. 防災備蓄はどこに置く?
A. SIC奥の低位置に。停電時でも手探りで取り出せるよう、懐中電灯も同ゾーンへ。
まとめ
- 直行動線→SIC棚割→置き配定位置→扉計画→動線分離が“毎日のひと手間”を削ります
- 寸法と運用を先に決めることで、暮らしの満足と体力の残り方が変わります
- セミオーダーは「効く場所だけ深く」が正解。鶴見区の生活テンポに合う最短ルートの家を、私たちと一緒に設計しましょう